Q. コンピュータは電気でどのように計算するのですか?
A. 電気がONなのか、OFFなのかという情報を大量に組み合わせることによって、計算をすることができます。
電気のONとOFF
前回も説明しましたが、コンピュータは電気で動いています。
では、電気をどのように使えばコンピュータに計算をさせることができるのでしょうか?
どうやってカラフルな画面を表示できるのでしょうか?
どういう仕組みでいろいろな楽器の音をスピーカーから鳴らすことができるのでしょうか?
それは、電気が流れているか(ON)、流れていないか(OFF)、という二つの状態を使うと可能になります。
例えば一つの電球があったとすれば、電球に電気が流れて光っている状態をON、電気が流れておらず光っていない状態をOFFとして、二つの状態を表します。

え?ONかOFFしか分からないなら、たった二つのことしか表現できないんじゃないかって?
…。
そんなことはありません。
たとえ一つの電球ではONとOFFの二つの状態しか表せないとしても、その電球をたくさん用意すれば、もっと多くの数の状態を表すことができます。
どういうこと?と思うかもしれません。次の例を見てみてください。
電光掲示板
ONとOFFだけでいろいろなことを表す一つの例としては「電光掲示板」があります。
電光掲示板とは下の画像のようなものです。


- 駅で列車の到着時刻を表すもの
- お店の看板として使われるもの
- 駐車場の「空」の文字
など、街のいたるところで見つけることができます。
コインパーキングの電光掲示板を、もう少しよく観察してみましょう。

電光掲示板を近づいてよく見てみると、小さなライトがたくさん並んでいるのが分かります。このライトが光ったり光らなかったりすることで、線が引かれているように見えたり、文字を表示したり、さらには表示した文字をアニメーションさせたりすることができます。
つまり、これら一つ一つのライトは電球と同じように、ONとOFFの二つしか表せませんが、それらがたくさん集まることで文字や絵を表現できるのです。
パソコンやスマホの画面も、基本は電光掲示板と同じような原理です。(カラーなので少し複雑になりますが。)
モールス信号
ONとOFFで複雑なことを表す別の例としては「モールス信号」というものがあります。
モールス信号は普段使うことは少ないですが、身近なところでいうと、ジブリの映画にはよく出てきます。

「天空の城ラピュタ」では、冒頭のシーンでムスカ大佐がモールス信号を使用しています。
ププププーのような音を発しているシーンです。この音を使って遠くの人と会話をすることが出来ます。
これは、音がなっている状態のONと、音がなっていない状態のOFFという、二つの状態をうまく組み合わせることで言葉を伝える方法です。
「崖の上のポニョ」では、宗介(そうすけ)が遠くの船に乗ったお父さんに向かって光をチカチカさせています。これもモールス信号です。

そのように、音を使わず光でモールス信号を送ることもできます。
つまり、光っている状態ONと、光っていない状態OFFの二つの状態だけを使うことによって言葉を伝えることができる、ということです。
コンピュータの場合は?
電球のように二つの状態ONとOFFしか表せなくても、その電球をたくさん用意すれば、文字や絵など、複雑なことでも表現できるということが、分かったかと思います。
それでは、コンピュータの場合はどうしているのでしょうか?

コンピュータの中には本当に電球が入っているわけではありません。
しかし、上で紹介した電光掲示板やモールス信号の技術を応用することで、いろいろなことが可能です。例えば、3Dゲームの画面を表示させたり、カメラで撮った写真のデータを保存したりすることができるようになっています。
では具体的にどうやって画像を表示したり、データを保存したりしているのか?
そのくわしい内容については、次回以降、紹介していきたいと思います。
コメント