Q. 電気のONとOFFだけで本当にコンピュータは計算できるんですか?
A. できます。
電気のONとOFFは、それぞれ数字の1と0に対応させることができます。
コンピュータを0と1で表す
コンピュータは電気のONとOFFを組み合わせることで、ものごとを表現できます。
今までは「電球のON、OFF」でコンピュータのことを考えようという話をしてきました。
しかし、毎回「電球のON」や「電球のOFF」という言葉を使うのは少し長ったらしいです。
そこで、これからは電球がONであることを数字の「1」、電球がOFFであることを数字の「0」で表す、ということをよくします。
どういうことでしょうか?
具体例として、前回も出てきたコインパーキングの画像を見てみましょう。
これは、電球(LEDライトですが、電球と思ってください)のONとOFFを並べることで、「空」という文字を表現しているのでした。緑になっているのが電球が光っている部分(ON)で、黒くなっている部分が電球が光っていない部分(OFF)ということです。
ここでは分かりやすいように、電球が正方形の形にビッシリつまって並んでいると考えましょう。
そのとき、電球の数は、16×16の合計256個となるはずです。
(※本来コインパーキングの空き状況は「空」か「満」の二つだけなので、それを表すために必要な数だけLEDが使われているはずですが、今回は分かりやすいように電球は正方形の形につまっていると考えてください。)
ここで、一番上の段に注目します。
電球の数は全部で16×16個なので、一番上の段だけには16個の小さい電球が横に並んでいるということです。
光っている電球はどこでしょうか?
光っているのは、真ん中の二つの電球ですね。横に並んだ16個の電球のうち、真ん中の2個が光っているということは、残りの14個は光っていないということです。それが左と右の両方に7個ずつあるので、まとめると
光っていない電球×7 光っている電球×2 光っていない電球×7
という感じで並んでいるということです。光っている・光っていないをON・OFFで表現すれば、
OFF OFF OFF OFF OFF OFF OFF ON ON OFF OFF OFF OFF OFF OFF OFF
という風に電球が並んでいるということですね?
でも、見てもらったら分かるように、文字にするとけっこう長くなってしまいました。まだ16個の電球についてしか考えていないので少ないですが、これが16段あれば、全部で16×16の256個の電球が使われているわけです。なので、それ全てを表現しようとすると256個のONとOFFを並べる必要があるということです。考えただけでもゾッとしますね。
それに、今は色をつけていますが、色をつけないとどこがONでどこがOFFなのか分かりにくいです。
そういった問題点を解決するため、ON→1、OFF→0という風に数字を当てはめるのです。先ほどのONとOFFを16個並べたものを数字で書き表してみると次のようになります。
0000000110000000
非常にスッキリしましたね。それに、どこがONで、どこがOFFなのかがより分かりやすくなったと思いませんか?
というわけで、今後はこのように電気のONとOFFを、数字の0と1に変えたほうがよさそうです。
0と1だけで表される数
電気のONとOFFは、数字の0と1に直した方がいいというのが分かりました。ということは、コンピュータは電気のONとOFFでものごとを考えていますので、これからはコンピュータのことを考えるとき、電球ではなく数字の0と1だけを使っていけばいいということになります。
つまり、「コンピュータ → 0と1を使って考えよう!」ということです。
ちなみに、0と1だけを使った数には名前がついています。
それは「2進数」というものです。
どうして0と1だけを使った数のことを2進数というのか?
その理由についてはまた別の機会に解説しようと思います。
2進数を使うメリット
コンピュータの動作を考えるとき、0と1の数字で表すと、どんないいことがあるんでしょうか?
一つの利点は、「計算ができる」ということです。
0や1などの数字があれば、それを使ってたし算・ひき算・かけ算・わり算を考えることが出来ます。逆に、電球の場合は「ONとOFFを足し算する」みたいなことは考え付かなかったと思います。
「計算ができるようになったら、具体的に何ができるの?」ということは、一言で説明できるものではないです。なので、これからじっくりコンピュータについて勉強していくなかで、理解してもらえればいいです。
とりあえず、2進数というのが大事になってくるんだなーということがなんとなくわかってきたかと思います。2進数はコンピュータ学習における、キホンの「キ」です!ぜひマスターしてください!
次回以降は、2進数を使ったたし算・ひき算・かけ算・わり算の方法を学びます。一緒にコンピュータのキホンを一緒に学習していきましょう!
コメント